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大地のアーバンライフ!? in 神戸
神戸のひまわりオジサン
- カテゴリー:遊・学
- 都道府県:兵庫県
- 投稿日:2009年01月17日 01:03
- 投稿者: 河本 大地 さん(兵庫県)
神戸に、「ひまわりオジサン」とう方がおられる。
本名は荒井勣(いさお)さん。
先月のエコツアーカフェin神戸(日本エコツーリズムセンター主催)
は、ひまわりオジサンが主役だった。
題して、「ひまわりオジサンの播いた種」。
この日、オジサンはおにぎりを握ってきてくださった。
山古志の棚田の「はせかけ米」。【写真1枚目】
太陽の光をゆっくりと浴びたお米だ。
噛めば噛むほど甘みが出てくる。
*
ひまわりオジサンは、以前、小学校のPTA会長をなさっていた。
その頃に社会的活動に目覚められ、
1992年からは青少年健全育成のための
「ひまわりネットワーク運動」を推進されていた。
人々の心を明るくするヒマワリの花を各所に描いた迷路は、
子どもたちに大人気だったそう。
そこに起きた阪神・淡路大震災。
1995年1月17日。
余震が続く中、家族5人で初めて抱き合って助かったのだとか。
「何かをするために生きることを許された」と感じたオジサンは、
さっそく神戸市西区で給水ボランティアを開始。
「大きな震災が起きると、行政は太刀打ちできない。
住民が助け合うだけ。」
・・・震災前から何かやっている人でないと、
こういう時に動けないそう。
オジサンは、「ボランティア」を、所詮おせっかいと見る。
喜ばれたら、ボランティア。
嫌われたら、そのままおせっかい。
求められていることをやる必要がある。
先読み/先取りの力があるといいことができると言う。
オジサンは、給水がなんとかなってきたのを見届け、
風呂がなく頭を搔いている人を見て
いち早く手作りのお風呂の出前を開始した。
まず、ポートアイランドの港島中で「ひまわり温泉」を開始。
当時のビラ(1月24日付け)には、こうある。
「地震以来、お風呂が使えない生活が続いていますが、温水シャワーが使えるようになりました。体を洗ってさっぱりいたしましょう。」
湯煙が上がると、
断水の続く島の各所から、桶を持って人が集まってきた。
4日で1000人。【写真2枚目】
自衛隊が新たなお風呂をつくったのを機にここを離れ、
その後も場所を移しながら手作りのお風呂をなさっていた。
さまざまな形で避難所支援もおこなった。
配られる冷たいお弁当に、温かいおかずを1品をと考え、
お風呂の湯を使って湯豆腐や温泉たまごを作った。
わかる人にだけわかる放送を流し、紙パックのお酒を配ると、
校庭で涙を流しながら「あの日」を語るおっちゃんたちが出てきた。
茶碗も集めて配布した。
避難しておられる方々の心が見える活動に、気を配った。
「瓦礫のまちにひまわりを」と、
NPO「 ひまわりの夢企画」も立ち上げた。
マスコミを味方につけてヒマワリの種を希望者に配り、
仮設住宅をヒマワリの花で彩った。
「ジャンボひまわりコンテスト」は、今も続いている。
暗い状況の中、「震災で結ばれた2人」もいたのだとか。
赤いヒマワリの後ろに写る女性と、
その写真を撮る神戸新聞社の記者さん。
愛のキューピッドはオジサンだった。【写真3枚目】
しかし、オジサンは経済的には難儀をされていた。
それまで続けてこられた自動車販売の会社をつぶし、
ボランティアの道を選択された。
「家も土地も失ったが、ヒマワリの種だけが残った」。
笑いながらオジサンはおっしゃる。
*
神戸での経験は、後に活かされた。
2004年の中越地震。
山古志村(現長岡市)等で
お茶碗プロジェクトやひまわりプロジェクトをなさっていた。
ここでは「ネットアートプロジェクト」も実施。
ネットアートとは、ナイロン製のネットの編み目に
ホッチキスで色とりどりの布を取りつける芸術。
神戸と長岡で牛の絵を作り、山古志のシンボル「闘牛」ができた。
山古志のもうひとつのシンボル「錦鯉」も、
大きな財産を失った山古志の養鯉業者の助言を得ながら作った。
【写真4枚目】はそのひとつ。
山古志中の錦鯉「大正三色」と神戸の白川台中の「ひまわり」。
被災者どうしの、つながりが生まれた。
2005年には福岡の玄海島で、
2007年には能登半島や柏崎で、
2008年には栗駒でも、
オジサンは経験と知恵で地道な活動を繰り広げた。
『足跡がいつか道に』。
ひまわりオジサンが、2005年に出版した本のタイトルだ。
*
「オジサン、何で食ってるの?」
よく聞かれるらしい。
「オジサンはね、
右手で箸持って、左手で茶碗持って、食っているんだよ。」
ひまわりオジサンのNPOは、収入源として
オジサン考案の体験型教材「防災楽習迷路」が大きいのだそう。
迷路は、地震で倒壊した家屋を表し、
「おばあちゃんはどこ?」などと叫びながら
カードに描かれた家族を「救出」して出口に向かう仕組み。
行き止まりには、防災の知恵が書いてあるのだとか。
ご関心をお持ちの方は、こちらへ。
⇒ http://ido-shien.mobi/volunteer/sunflower.html
ひまわりオジサンが、迷路を楽しむ子どもたちに
伝える言葉。
「これからねえ、オジサンは大切な話を2つするよ。
これは覚えとけよ。」
1.
災害時には、とにかく水を確保すること。
川の水、池の水も、消毒すれば飲める。
やかんに入れて沸騰させればいい。
ペットボトル3本用意していても、
いざというときに取り出せないんじゃ意味がない。
モノの準備よりも「知恵」。
川がどこにあるか、今のうちに見ておこう。
その水で3日間頑張れば、誰か助けに来てくれる。
2.
うんこの話。
仮設のトイレは、1人目は気持ちいい。
でも、だんだんとモノがたまってきて、
きれいな奥さんほど入れなくなる。
トイレは、あるから行くんじゃない。
トイレは自分と一緒に動く。
バケツや段ボールでもトイレはできる。
板2つあれば「いたく」ない。
その上にナイロンを敷いてやれば、肥料にもできる。
山に入って、葉っぱの大きそうなやつを取ってくれば
トイレットペーパー代わりになる。
「この何年かで、何人の子どもに
こういうことを伝えられるかが勝負」なのだそう。
*
長くなってしまったが、エコツアーカフェの後の懇親会での話。
近くの席に座っていた方が、「どうぞ」と
オジサンのお皿に魚を2尾入れた時のひと言。
「ハタハタが2匹いるのをね、ハタ迷惑というんだよ。」
吹いていると、もう1発。
「そんなに『ギョ』っとしないで。」
・・・そんな、ひまわりオジサンなのである。
コメント
7件のコメントがあります 最新3件表示
- となりのイノシシ さん(宮城県) 2009年01月20日 04:23
-
私も同じこと書いてしまいました。
「喜ばれたら、ボランティア。
嫌われたら、そのままおせっかい。 」
良い言葉ですね。
ご紹介ありがとうございました
今年も良い年でありますようお祈りいたします
- 近江の仙人 さん(滋賀県) 2009年01月21日 08:19
- 私の家もあの大震災で半壊しました。それよりテレビで神戸・須磨にいる伯母が死亡とのニュースを見て、尼崎から須磨まで自転車で見舞い品を思いつくままいっぱい乗せて走りました。途中は文字通り、瓦礫の山。なんとか須磨までたどり着きましたがどこに避難しているかわからない。小学校や公民館を探し回ってやっと見つけました。母一人子一人で心細い思いの従兄妹に必要なものを聞くとウエットティシュがほしい、ということでした。水道が出ないので、顔や手を洗うのに濡れたティシュが必要なのです。これは被災者でないとわかりません。セーターや下着などは瓦礫に下から掘り出して当座は間に合うとのこと。こんなところにもミスマッチがあることを学びました。
- 河本 大地 さん(兵庫県) 2009年01月24日 23:54
-
>となりのイノシシさん
ありがとうございます。
思わず背筋をただしてしまうような御来光ですね。
となりのイノシシさんにとってもよい1年となりますように。
今後の記事とお写真を楽しみにしています!
>近江の仙人さん
うーむと考えさせられるコメントです。
尼崎から須磨まで大荷物を抱えて自転車とは
平常時でも大変でしょうに、
震災直後はいかばかりか・・・。想像を絶します。
大変貴重かつためになるご経験談を
ありがとうございます。
写真は震災後の長田区周辺の空中写真(1995年4月27日)。
神戸市立中央図書館の震災資料室にあるものです。
大火災の跡や仮設住宅、ブルーシートなどがはっきりと見て取れます。

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