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問題提起
本当の自立
- カテゴリー:遊・学
- 都道府県:静岡県
- 投稿日:2010年02月06日 10:29
- 投稿者: 松本晴雄 さん(静岡県)
もう相当昔のことである。ある民宿に泊まられた都会の娘さんに「どんな仕事をされていますか」との質問を受けた。私は「たいした者ではありません。印刷屋の仕事と日曜百姓で米作りをしています」と答えた。
この彼女のリアクションは「やはり食べ物を作っている人間は独立した風格がありますね」とさも尊敬する眼差しとなった。当時はバブル全盛期であり、百姓をしていることは卑しいことぐらいしか、都会の女性には思われないであろうとの予想だった。この想定外の答えに私は面食らったものである。
私の百姓への思いは、先祖から伝わる財産を守ることの惰性でしかない。例え辛くともこの思いさえあれば耐えられると思っていた。しかし、老齢もさることながら、農業収支の赤字が続くと財産維持などどうにでも良くなり、後継者がなければ農地放棄もやむを得ないと思い始める。
いま地方経済は、瀕死状態となっている。食糧自給率40%という数字に誰も不思議とも恐いとも思わなくなっている。失業率は5%となりながら、農業にその人力を当てようとは考えない。
まだ貿易収支が黒字のうちは良い。やがて生産拠点は中国へ移り、消費大国アメリカが双子の赤字を抱え、軍事支出が増大すれば、日本経済は成り立たなくなることは必然である。しかも収入を倍以上上回る国債費を続けれえばどうなるか。60パーセントの食糧輸入など出来ようもない。それでいて5兆円を上回る「子供手当」をばらまこうとする。
国会は相変わらぬ幼稚園的議論ばかり、空回転である。ただ「選挙に勝てば良い」だけの理屈、世界の動きを無視し、日本の未来を見据えるものがない。今日も政治献金問題、行く方の知らない基地問題の慢性的議論が行われている。
ただ要求だけとなり、どう耐えて国家を存続させるかのビジョンがない。地方も、個々の人間も、どう生きるかの理念もなく右往左往である。政治家しかり、評論家もメディアも不安を煽る。静かに自立して生きる人間に日を当てることなく、卑屈の縁に追いやる。
グローバル経済を無視することは出来ないにしても、それぞれが生きるだけの「自立」の心を育てなければ、国家は滅亡へ真っ逆さまに墜落するだけである。せめて食糧自給率7割、世界の民族・人心の動きを素早く読み解く知恵がほしい。「正義」は「生義」と同意語であることを知ろう。多少の「グレー」も目をつぶる余裕心が必要なのだ。





